ぢは肝臓を元気にすれば早く治る!
「ぢ」の原因は肝臓の働きの低下
肛門の血流は門脈をとおって肝臓に入りますが、疲労やアルコールなどが原因で働きが悪くなると、肝臓が吸い上げる血液の量が減ってきます。そのためうっ血がおこり「ぢ」が悪化します。
●肝臓の働きを高めて、肛門部から血液を吸い上げる力を強くし、肛門部の
うっ血を解消する。
●内臓全体を温めて全身の血流をよくする。
治りを早める養生
・座り続けない。
同じ姿勢を続けけることは全身の血行が悪くなります。特に座り続けると肛門部が
うっ血を起こし,「ぢ」を悪化させます。
・便通を整える。腸の環境を整える。
便秘や硬い便が切れ痔の原因となるだけでなく、いきむことで、うっ血を悪化させ
ます。
・身体を冷やさない。
冷え性になると足腰だけでなく、内臓も冷えることで全身の血行が悪くなり、その
結果、肛門部がうっ血をおこして「ぢ」を悪化させます。
・アルコールは控える。
アルコールは肝臓で解毒されますが、酒を飲みすぎると肝機能が低下し、門脈の
血流が悪くなり「ぢ」を悪化させます。
・患部は清潔にして温める。
痔
痔は肛門の病の総称です。肛門は腸とおしりの皮膚がひとつにつながったもので、そのつなぎ目に当たるところを、歯状腺と呼びます。
痔核(いぼ痔)
痔核とは一種の静脈瘤ですので、発生する場所により内痔核と外痔核に分けられます。肛門の周りは細い静脈が集まっていて、正常な状態では肛門のクッションの役割をしています。これが便秘や排便のいきみ、長時間立ちっぱなしや座りっぱなしなどによって、血の流れが悪くなりうっ血してふくれあがり、いぼのような状態になったものが痔核です。
内痔核
(直腸粘膜に出来る痔核)
歯状腺より上に出来るもので、普通は3〜4個、多いときには6〜7個のいぼが出来ます。
出血は紙につく程度の時もあれば、ポタポタ落ちることもあります。
外痔核
(肛門皮膚にできる痔核)
歯状腺より下にできるもので、この部分はもともと皮膚であり知覚神経が集まっているので、出血とともに痛みもあります。
直腸
直腸粘膜
静脈
歯状腺
肛門皮膚
静脈
外痔核
内痔核
肛門括約筋
痔核の種類 | 内痔核 | 外痔核 |
---|---|---|
できる場所 | 歯状腺の上 | 歯状腺の下 |
痛み | あまりない | 激しく痛む |
出血 | 多い (排便時に出血) |
少ない |
その他 | 肛門外に出ると 激しく痛む |
はれて赤くなる |
脱肛(で痔)
肛門の皮膚や直腸の粘膜が、かたまりとなって肛門の外に飛び出したものを脱肛といいます。
脱肛は痔核の悪化したものといえます。
症状は
重症になると自然に戻らなくなり、粘膜が炎症を起こして赤くはれ、出血や激しい痛みを伴います。
脱肛
裂肛(きれ痔)
歯状腺の下の肛門の皮膚が、硬い便で切れたもので、便秘の人に多くできます。
歯状腺の下の皮膚の部分は、痛みを感じる神経がかよい排便時に激しい痛みがあります。
裂肛(きれ痔)が慢性化すると、周囲の皮膚がいぼ状に盛り上がります。
症状は
排便時に激しく痛み、
出血は多くなく、排便時に便や紙につく程度です。
裂肛
痔ろう(あな痔)
便の中の細菌(主に大腸菌)が感染して炎症を起こし、うみがたまって肛門のまわりにトンネルをつくり、最終的には肛門周囲の皮膚が開いて、うみが出るようになります。
いつも分泌物がでてきて不快感があります。
トンネルの通路は様々です。
症状は
初期には激しい痛みがあり、熱感があります。
出血はあまりなく、うみが出て下着が汚れやすくなります。
痔ろう