生理痛・生理不順

 生理とは、ほぼ1ヶ月ごとに起こり、限られた日数で止まる子宮からの出血をいいます。
思春期になり卵巣の機能が充実してくると、定期的に3~4個の卵子が成熟し、卵巣から卵管を通って子宮に飛び出してきます。これを排卵といいます。排卵が起きると、受精した卵子が(受精卵)が着床しやすいように、子宮の内膜は厚くなり妊娠に備えます。


正常な生理とは     

初潮 9~16歳(11~13歳が多い)
周期 26~35日(28~30日が多い)
持続日数 3~7日(平均5日)
血液の量 50~110ml(全期間中)
血液の特徴 暗赤色。流動性があり、固まりにくい。
閉経 45~55歳(50歳前後が多い)


生理の異常
正常月経(28日周期) 器質的な異常 子宮内膜症、卵巣嚢腫などの
子宮や卵巣に形態的な病気がある。
ホルモンを作り出す器官の病気。
多い(120ml以上)
過多月経
少ない(50ml以下)
過少月経
周期 周期が24日以内
生理回数 年に24回以上
頻発月経
機能的な異常 心理的、精神的な状態による
ホルモンバランスの異常。
周期が40~60日
生理回数 年に10回以下
稀発月経
日数 持続日数が8日以上
過長月経
全身性の病気 糖尿病、腎臓病、高血圧、肥満、
貧血など
持続日数が2日以内
過短月経
  月経困難症 月経前緊張症
期間 生理が始まってから生理が終わるまで。 生理が始まって数日前から、生理が終わるまで。
症状 生理が始まると下腹部が痛み、吐き気やめまいがする。
下腹部や腰の痛み、嘔吐、吐き気、めまいなど。
生理が始まる前になると、いつもイライラ怒りっぽくなり、下腹部が重く、頭痛や乳房の痛みが出る。
イライラ、嘔吐、吐き気、頭痛、乳房の張りや痛み、抑うつ感、むくみなど。

漢方では
 漢方では、生理痛・生理不順を以下のような身体のトラブルから起きていると考え、生理前・生理中・生理後の状態や生理痛の痛みのタイプ、全身症状からのタイプで改善していきます。
生理不順の原因となる
身体のトラブル
生理痛のタイプ
刺されるような痛み
血の流れが悪く、生理に塊が出る。 張った痛み
身体の中に冷えが入り込んでいる。 シクシク痛む
体力不足で身体を温める力が弱い。 焼けるような痛み
体力不足で血を貯める力が弱い。 絞られるような痛み
体力不足で生理を調節する力が低下している。 だるい痛み
血が不足している。 痛む所が冷たい
身体の中に余計な水分がたまっている。 痛む所が熱っぽい
身体の中に湿気と熱がこもっている。 持続性の痛み
血の中に熱がこもっている。 特に腰が痛む
ストレスで、生理を調節する機能が弱っている。 全身が痛む
お腹に力がはいらない
乳房、脇腹が痛む
頭痛が激しい

基礎体温表は女性の健康管理の基本
 基礎体温表をつけることにより、女性の体の情報が得られます。

①排卵期がわかる。
 正常な体温表は、低温期と高温期が2層になっています。排卵に
より黄体ホルモンが分泌され、この黄体ホルモンが大脳の視床下部
に働きかけて体温が上昇します。高温期の後、月経があり、次の排
卵まで低温期が続きます。

②病気の早期発見に役立つ
 適度なストレスや環境の変化などで低温期と高温期の周期がズレ
ることがあります。高温期がなく低温期がずっと続く場合は、排卵が
なくホルモンの分泌異常などの可能性があります。


③不調の時期がわかる
 月経前緊張症では妊娠初期のような症状(眠くなったり、イライラし
たり、乳房がはる)がでますが、基礎体温表をつけていると、症状が
でそうな時期が事前にわかり、仕事をセーブするなど自己コントロー
ルできるようになります。


④妊娠がわかる
 高温期は黄体ホルモンが分泌されている時期です。黄体ホルモンは妊娠を維持するホルモンなので高温期が続く場合は妊娠の可能性があります。妊娠すると月経もなくなりますが、高温期と思われる時期のあとに低温になったり、また不安定になった場合は妊娠したとは限りません。

⑤避妊に役立つ
 基礎体温表で排卵の時期がわかれば避妊に役立ちます。妊娠しやすい時期は排卵日の前3日と後4日間です。しかし避妊はこの4日間プラス前後2日間ずつ8日間くらいは考えておいたほうが安全でしょう。
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