更年期とは、女性の場合、50歳前後で閉経する前後10年ぐらいの時期を言います。この時期には女性ホルモンが減少するために、顔のほてりやのぼせ、腰や手足の冷え、頭痛、不眠、肩こりなどの変調が起こります。精神面ではイライラや落ち込み、感情の起伏などの症状が現れます。こうした、様々な不快な症状を、更年期障害といいます。
 更年期障害の原因は、女性ホルモンのなかでもエストロゲン(卵胞ホルモン)の減少によるものです。骨量の維持やコレステロールの低下といった、エストロゲンの働きも減少します。この時期から、脂質異常などの生活習慣病や骨粗鬆症などのリスクにさらされることになるので注意が必要です。
 更年期障害は女性の病気と思われがちですが、男性ホルモンの分泌量が変わる40〜50代の男性にも起こることがあります。
 更年期障害の予防・改善に有効なのは、大豆に含まれるポリフェノールの一種のイソフラボンです。イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと構造の似た成分が含まれているため、体内で減少したエストロゲンの働きを補ってくれます。納豆豆腐豆乳きな粉などの大豆製品に豊富にふくまれているので、積極的にとりましょう。

食養生第八回更年期障害

更年期障害によい主な食材】
大豆、納豆、豆腐、豆乳、きな粉、赤唐辛子、羊肉、玉ねぎ、長ねぎ、にら、キャベツ、いか、たこ、ほたて、あさり、赤身の肉、牛乳、小魚、青菜、赤ワイン、チョコレートなど

 冷えが強い場合は、体内熱産生を高めるポリフェノールをとるのが有効です。赤唐辛子のカプサイシン、チョコレートのテオブロミン、羊肉などに含まれるL-カルニチン、玉ねぎ長ねぎにらキャベツなどに含まれるケンフェロール、赤ワインのレスベラトールなどです。肝臓での熱産生を高めるためには、アミノ酸の一種であるタウリンやクリアチンなどをとるとよいでしょう。タウリンはいかたこほたてあさりなどに、クレアチンは魚類や赤身の肉などに含まれています。
 骨粗鬆症の予防には、牛乳小魚青菜などからカルシウムを補給しましょう。更年期の時期は、子どもの自立、親の介護、職場での重責、夫や自信の定年など、様々なストレスが増える時期でもあります。ストレスを感じたら、すぐに発散するようにし、ため込まないことも重要です。

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